【日本のAI研究を加速】東京工科大学、私立大学最大級AIスパコン「青嵐」


プロジェクトの重要性と概要

東京工科大学では、日本の私立大学において最大規模となるAI特化型スーパーコンピュータ「青嵐(せいらん)」を稼働させました。これは、学術研究および地域連携プロジェクトを飛躍的に加速させるための、戦略的な中核設備と位置づけられています。先日、同大学で開催された地域交流会に参加させて頂いた内容をご紹介します!

CEATEC 2025 青嵐ブースにて 東京工科大学AIテクノロジーセンター・ICT部門長の生野壮一郎教授と学生さん

🚀 1. 導入背景と「青嵐」に込められた理念

「青嵐」の導入決定は、学内におけるAI研究への旺盛な需要に基づくものです。

  1. 需要の顕在化: 2023年にコンピュータサイエンス学部で実施された先行プロジェクトにおいて、学生向けに解放した計算システムが稼働率ほぼ100%を達成。その利用の大部分がAI学習であったことから、大規模な計算リソースへの高い潜在需要が裏付けられました。
  2. 名称の由来とビジョン: 「青嵐」の名称は、平安時代の歌人、西行法師が八王子で詠んだ歌と、大学のシンボルカラーであるが象徴する「知」を組み合わせたものです。「八王子の地から知性の嵐(青嵐)を巻き起こす」という理念が込められているそうです!

また、本システムの導入は、世界的な技術パートナーであるNVIDIA社との強固な連携のもとで実現しました。大学は同社と学術協定を締結し、技術者から直接指導を受ける「学生アンバサダープログラム」の国内主要拠点の一つとなっています。

💻 2. AI特化型アーキテクチャが生み出す圧倒的な効率

「青嵐」は、AI関連の計算に完全に特化した設計思想が特徴です。この専門化により、極めて高い計算効率と電力効率を実現しています。

比較項目AIスーパーコンピュータ「青嵐」理化学研究所「富岳」(汎用スパコン)
物理的規模「富岳」の約1000分の1
AI計算性能「富岳」の約3分の1に匹敵

この効率性が、従来のタスク時間を劇的に短縮します。

タスク例従来の高性能PC(数万円台)「青嵐」による処理時間高速化率(概算)
広辞苑全体に相当するAI学習数時間~1日以上7分以内約200倍
2時間の映像データ解析約1日3分

これにより、これまで時間的な制約から不可能だった複雑なAIモデルの大規模学習や、トライ&エラーの回数を飛躍的に増やすことが可能となり、研究の質とスピードが格段に向上します。

🌐 3. 国際的な位置づけと戦略的取り組み

「青嵐」は、その性能から国際的なスーパーコンピュータのランキングにおいても上位進出が期待されています。

  • AI特化型ランキング: 世界10位から20位台へのランクインが見込まれています。
  • TOP500(科学技術計算): 汎用性能でも世界400番台前後へのランクインが予測されています。

さらに、大学は「青嵐」を核とした戦略的取り組みを進めています。

  • 八王子市とのAI・DX連携: 大学は八王子市と連携協定を締結し、自動運転バスの開発支援や、地域文化振興に資するデジタルツイン・AIソリューションの創出を目指します。
  • 長期ビジョン: 研究・教育活動を通じて「AIユニバーシティ」としての地位を確立し、最終的な目標として、テクノロジーによって社会全体の幸福に貢献する「AIウェルビーイング」の実現を掲げています。

結論(展望と期待)

AIスーパーコンピュータ「青嵐」の稼働は、東京工科大学がAI分野における教育・研究のフロントランナーとしての役割を担う決意を示すものです。この強力な計算基盤を通じて、地域社会の課題解決から、人類の未踏領域に挑む学術研究まで、多岐にわたる分野で革新的な成果が生まれることが強く期待されます。

また、八王子市は10月2日、高齢化や人手不足といった地域課題を解決することを目的に「AI・DX技術を活用した連携に関する協定」を東京工科大学と締結。同大が新たに導入した青嵐が今後活用される見込みです。

これからどんな取り組みが始まっていくのか、非常に楽しみです!!


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