【3月議会・一般質問報告】八王子市DX推進計画|市民が実感できるデジタル化を目指して


令和8年3月27日、八王子市議会の一般質問で「八王子市DX推進計画」について質問しました。市民の利便性向上・職員の業務改革・誰一人取り残されないデジタル化、この三つの視点から市の考えをただしました。

なぜ今、DX推進計画が重要なのか

国ではデジタル庁が「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を掲げ、全国の自治体のDX推進を強力に後押ししています。東京都でも行政手続のデジタル化率が2020年時点のわずか5%から、2025年には約88.6%にまで急速に進展しました。

八王子市においても、令和4年度からの前DX推進計画で全体事業の約84%の目標を達成。その成果と課題を踏まえ、令和8・9年度の新たなDX推進計画が策定されました。「フロントヤード改革の推進」「AIの活用推進」「環境基盤の整備」の3つを重点施策に掲げ、市民が実感できるDXの実現を目指す重要な計画です。

質問① 市民が「便利さを実感する」オンライン化の推進

現状、市の申請手続のオンライン申請化率はわずか10%にとどまっています。新計画では令和9年度末までに100%を目標としていますが、私が重視したのは「環境を整えること」と「市民が実際に使うこと」は別問題だという点です。

市からは、マイナンバーカードを活用した入力簡素化など「窓口より便利」と実感できる仕組みづくりを進めるとともに、利用率や市民満足度といった指標の設定を検討していくとの答弁がありました。また、申請完了後のアンケートなど利用者の声を施策に活かす仕組みについても、調査・研究を進めるとしています。

私自身、前職のプログラマー時代に「開発者が便利だと思って作ったものが、実際には使いにくかった」という経験を何度もしてきました。行政のデジタル化においても同じです。実際に使った市民の声を継続的に集め、改善につなげる仕組みが不可欠だと考えます。

質問② AIで職員の働き方はどう変わるか

令和8年度予算には、庁内へのAI(RAG=検索拡張生成AI)導入が盛り込まれています。これは職員が質問を入力すると、膨大な庁内文書から瞬時に関連情報を検索し、正確な回答を生成してくれる技術です。いわば「庁内のあらゆる資料を熟知したAIアシスタント」が職員一人ひとりの手元に置かれるイメージです。

先進自治体の事例では一人1日あたり約17分の業務時間削減効果が確認されており、市の試算では職員の60%が年間21日活用した場合、委託料4,202万円に相当する約4,322万円分の効果が見込まれるとのことです。

また、AIエージェントの実証実験(ごみ・市税・介護・子育てなどの問い合わせに対するAI音声自動応答)も3月19日まで実施されており、結果を踏まえて今後の活用を検討するとしています。

質問③ デジタルで生まれた時間を「人間にしかできない対応」へ

業務効率化で生まれた時間を、窓口に来られた方への丁寧な対応に充てることが行政サービスの質的向上につながる——この考えについて質問したところ、市からも「対面を希望される方へのより親切で丁寧な窓口対応に充てる」という方針が示されました。

また、全国の自治体職員数がピーク時より約48万人減少している中、八王子市でも人口動態に応じた定数管理のもと、DXで生み出した人的リソースを福祉・子育て分野など職員でなければ担えない業務へ重点配置していくとのことです。

質問④ 「誰一人取り残されない」デジタル化のために

技術的な支援だけでなく、心理的な不安の解消も重要な課題です。「個人情報が漏れないか」「詐欺に引っかかるのでは」——こうした不安から、操作を覚えても結局使えないという方が少なくありません。

市では令和8年度から、偽情報・誤情報の被害や防止策を学ぶ教室を新たに実施予定とのことです。また、デジタル庁の「デジタル推進委員」制度の活用についても、ホームページ等での周知を進めるとしています。

八王子市には21の大学・短大があり、デジタルに精通した若い人材が豊富です。こうした学生や地域ボランティアがデジタル推進委員として、町会・自治会・市民センターなどで身近にサポートできる体制ができれば、スマホ教室に来られない方や、デジタルに踏み出せない方にも支援の手を届けることができます。ぜひ積極的な周知をお願いしたいと思います。

まとめ

「デジタルで完結できる人はデジタルで。そうでない人には人間が温かく手を差し伸べる」——この両輪が揃ってこそ、本当の意味での「誰一人取り残されないDX」が実現します。人口減少が進む時代だからこそ、DXは選択肢ではなく必然です。引き続き八王子市のDX推進を議会からしっかりと後押ししてまいります。


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