2024年4月15日(月)、宇都宮市で2023年8月26日に開業した「ライトレール」の視察に行ってきました。
新しい路面電車の開業は国内では75年ぶりで、国内はもとより海外からも非常に注目されています。開業後6カ月で、284件、5000名を超える視察を受け入れている、と言われていました。
ライトレールとは?
ライトレール(以下LRT)とは、「Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)」の略称で、従来の路面電車と比べて振動や騒音が少なく、車イスやベビーカーなども乗り入れしやすいよう床が低くバリアフリーになっています。また、自動車が侵入できない専用レール走行するため、渋滞もなく運行が道路交通に影響されず定時制にすぐれています。国内では、富山市、広島市などでLRTが導入されています。
駅のホームと、線路の高さも低く、歩いて降りれる程度の段差となっています。転落の心配もありません!
宇都宮ライトレール
宇都宮市では、人口減少や少子・超高齢化社会の進行などの問題に対応するため、LRTを軸としたまちづくりで都市の再生を目指そうとしています。
事業スキームとしては「公設型上下分離方式」を採用。
宇都宮市・芳賀町がレールや車両を整備・保守し維持管理の責任を持ち、宇都宮ライトレール株式会社が事業者として設備を借り受け、運行サービスを提供しています。
宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地まで全長約15キロを約44分で走ります。
運行時間は、新幹線に乗り入れる時間と合わせて5時台~23時台まで。
ピーク時間は6分間隔、オフピーク時には10分間隔で運行されています。
ゼロカーボントランスポート
宇都宮LRTの大きな特徴の一つとして、動力は全て再生可能エネルギーを使用していること。
ごみ処理施設でのバイオマス発電、各家庭の太陽光発電から電力をまかない、二酸化炭素が一切排出されない「ゼロカーボントランスポート」を実現しています。
宇都宮市議会公明党の皆さんが、LRT整備で車の交通量を減らし、CO2の排出削減を加速させることを強調するなど、会派を挙げて主張してこられました!
地域連携ICカード「totra(トトラ)」の導入
運賃は現金、電子マネーともに利用できますが、地域連携ICカード「totra」を利用した場合、1乗車あたりの運賃が最大400円に割引されます。電子マネーの利用促進を進めることで、乗務員の負担を軽減し、利用者の利便性向上にもつながっています。また、乗車・降車時の混雑緩和のため、国内では初となる全扉にICリーダーが設置されています!
また、市内小学生、中学生全員にICカード「totra(トトラ)」を配布し、子どもの時からLRTに親しんでもらう取り組み。免許返納された高齢者等の方にはLRT運賃に利用できる年1万円分の福祉ポイントの付与など、地域独自サービスとの連携も積極的に行っています。
LRT整備による「まちづくり」の効果
開業半年ですが、すでに黒字化を達成。
LRT沿線にはホテルや、商業施設が建設され地価は2020年から4年連続上昇。昔の宇都宮駅周辺からはガラッと様変わりしているそうです。また、人口が増加したことで小学校が30年ぶりに新設!などなど、その経済効果は予想を上回る結果となっています。
宇都宮市の人口は約51万人と、八王子市とほぼ同程度の自治体です。
今回の視察を通して、非常に多くのことを学ばせて頂きました。宇都宮市での「まちづくり」を参考にしていきたいと思います。
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