令和7年第3回定例会 厚生分科会質疑


2025年9月29日(月)、厚生分科会で令和6年度決算に関しての質問を行いました!
その概要をお伝えします。

この質疑応答は、市民の皆様の生活に直結する重要な福祉・支援策について、現況の確認と今後の改善に向けた議論を行ったものです。

1. 複合的な課題を抱える方への支援と周知徹底

重層的支援体制整備事業(まちまるサポート)

「まちまるサポート」は、どこに相談していいか分からないといった、複数の課題を抱える方を支援するための事業です。

  • 実際の相談状況について:R6年度の新規相談件数は、予算上の見込み(896件)を上回る1,346名から寄せられました。この数字は、市民の皆様の潜在的な支援需要の高さを示しています。
  • 事業周知の徹底について:市民から「事業を知らない」「どこに相談していいか分からない」という声が多いことを受け、潜在的な需要に応えるため、今後は様々なチャネルを活用して、本事業を広く周知していくことを確認しました。

2. 移動支援サービスの継続と課題

身体障害者リフト付乗用自動車運行事業

外出が困難な身体障害者の方々の社会参加を促進するための重要な事業です。

  • 決算年度の利用状況:登録者323名のうち、78名が利用されました。
  • 事業の停止と要因:残念ながら、深刻なドライバー不足のため、本事業は令和7年度にサービスを停止しています。ドライバーに必要な資格は、介助を行わないため第二種運転免許のみです。
  • 総括:サービスを必要としている方が多くいることを踏まえ、今後は、利用者が安心して継続してサービスを利用できるよう、再開に向けた取り組みを強く進めるよう要望しました。

3. 高齢者の見守りと生活支援体制

老人保護措置費・緊急通報システム・在宅生活支援サービス

自立した日常生活が困難な高齢者の方への支援と、早期発見・対応に関する議論です。

  • 高齢者へのケースワーク:必要な高齢者へのケースワークは、一人ひとりの状況を詳細に把握し、適切な関係機関に繋ぐことで対応しています。様々なケースがあるからこそ、一人ひとりに寄り添った個別対応が不可欠であるとの認識が示されました。
  • 早期発見体制の課題:高齢者を早期に発見し支援の手を差し伸べる上で、これまで重要な役割を担ってきた民生委員や町会自治会といった支援側の体制維持が困難になってきています。今後は、いかに早期発見・早期対応を実現するかが非常に重要な課題となります。
    • 総括として、単身世帯の増加予測(2050年には44.3%)を踏まえ、現場職員の努力に感謝し、引き続きの対応を激励しました。

緊急通報システムと技術活用

  • システムの設置状況:生活保護・住民税非課税世帯などが無償で利用できる緊急通報システムが152戸に導入されています。これは、個別の機器設置ではなく、都営団地の対応部屋に導入されているシステムです。
  • 利用状況:具体的な集計はないものの、導入されているシステムには概ね月2件程度の通報があります。
    • (補足情報として)高齢者福祉課が所管するシステムは、172人の利用で年間79件の通報があり、うち26件が緊急搬送に至っています。
  • 総括:ウェアラブル端末(例:転倒感知機能)など技術の進歩は速く、高齢単身世帯の増加に対応するため、今後は様々な新技術を活用した緊急通報システムの推進を検討するよう要望しました。

高齢者見守り相談室と「ふらっとカフェ」

  • 中野にカフェがない理由:中野の相談室は、設置時にカフェを併設できる適切な広さの賃貸物件が見つからなかったため、カフェが併設されていません。
  • 総括:相談件数が中野で他地域に比べて少ないことから、「ふらっとカフェ」がないことが気軽に訪問しづらい要因の一つではないかと指摘しました。市民がお茶をしながら気軽に話をできる場として、相談窓口の増設を検討するよう要望しました。

4. 次世代育成と子育て支援の質の向上

子どもミライ会議

子どもたちが市政に積極的に参加し、意見交換や政策提案を行う重要な取り組みです。

  • 子どもの感想:「他市の同世代メンバーと語り合えて、本当にいい経験をした」との前向きな声が寄せられました。
  • 今後の市政への活用:(植原副市長より)未来を担う子どもたちが市政に参加する場は非常に重要であり、市としても今後も積極的に推進していきたいとの考えが示されました。

ファーストバースデーサポート事業

  • 商品価格の適正化について:利用者から、提供される商品の一部に一般的な相場より高額なものが見受けられるとの指摘がありました。
  • 市の対応:市にも同様の声が届いていることを認め、事業者と協議し、商品の見直しを含め、適正な金額で利用できるよう検討していくと回答がありました。

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