相模原市に全国初で導入された「傾斜警報監視装置」を視察してきました


「傾斜警報監視装置」と聞いても、これだ!と分かる方は少ないかもしれません。自分も初めて聞いたときは「???」となりました。

この装置は、土砂災害現場で救助隊員の方が2次災害に巻き込まれるのを防ぐため、地盤の傾きを検知して音と光で危険を知らせる装置の事をいいます。土砂災害の現場にいち早く駆け付け救助を行う救助隊員の方は、常に土砂がいつ崩れてくるか分からない状況の中で、救助活動を行ってくださっています。昨年の台風第19号の際には、相模原市内で土砂崩れがあり、大きな被害が出ました。

これまでは、現場の安全確保のため、杭などを打ち込み、ポリエチレンテープ(すずらんテープ)をピーンと張って、そのたるみや張りを「目視」で確認し現場作業を行っておられました。しかし、この手法では監視員の「目」が基準となり、判断が曖昧になりがちで、夜間作業時には暗く、さらに判断が曖昧になる、という課題を抱えていました。

その当時の状況をふまえ、早期に対応を図る必要があったのが「現場における隊員の安全管理資機材の充足」だったとのこと。そこで、以下の条件を満たす新規資機材の導入検討を開始されました。

  1. 資機材が早期に設置でき、多くの人員を必要としないこと。
  2. 傾斜を感知した場所が現場指揮本部で明確に確認できること。
  3. 傾斜を感知した場所が活動隊員からも明確に確認できること。
  4. 警報を発する傾斜角度が、より詳細な角度となること。
  5. 傾斜データを指令室の離れた場所で、確認ができること。

この要件を満たすため、メーカーと相模原市で共同開発を行い「相模原独自のシステム」を作り上げ、今回導入されることになりました。

本日の視察では、現場での作業を想定し、警報装置の設置から、警報発生までの流れをデモで見せて頂きました。本体にも様々な工夫がされており、現場に持ち込む際に手が空くように、機材を背負って持ち運ぶことが可能となっています。

機材は「センサー端末(子)」と、「集約局(親)」に別れています。まず、

  • センサー端末(子)を土砂現場に設置し集約局(親)と無線で接続
  • 子からのデータは1分間隔で親に無線で送信
  • 子で異常を検知した場合、親に通報が送信され、子・親両方でサイレン&LED灯が点灯し危険を周囲に知らせる
  • 送信されたデータは親に接続されたパソコン上で確認が可能

簡易で、確実性が高く、迅速性も兼ね備えた素晴らしいシステムだと感じました。

八王子市内に於いても山間部が多く、昨年の台風第19号の際には土砂崩れの被害も発生しています。
地域の安全はもちろん、災害現場で救助活動にあたって頂く方の安全を確保するために、ぜひ本市でも導入に向けて積極的に取り組んで行きたいと思います!!

相模原市の概要

人口約72万人
財政規模(当初予算)約5000億円
議員数46
姉妹都市中国・無錫(むしゃく)市
カナダ トロント市
市の木けやき
市の花あじさい


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