2026年7月7日(火)、公明党会派で30年以上にわたり障害児・医療的ケア児の保育を実践してきた打越保育園を視察しました。


目次
打越保育園が実践する「高度な保育」とは
打越保育園では、他の園では受け入れが困難とされる重度の障害や疾患を持つ子どもたちを、医学的根拠に基づいた保育で支えています。水頭症・ダウン症・脳性麻痺・難病指定疾患など、極めて専門性の高いケアが求められる児童が在籍しており、看護師による経管栄養(胃瘻)・導尿補助・酸素ボンベ管理・血圧測定なども日常的に行われています。
特に印象的だったのは、独自の保育メソッドです。
- 動画による医療連携:痙攣や発作の様子を動画で撮影し、主治医に提供することで、症状を正確に共有し診断・治療の精度を高めています
- 咀嚼(そしゃく)訓練:ダウン症児など噛む力が弱い子どもに対し、毎日ボイルした人参を噛ませる訓練を継続。将来の構音障害の予防につながっています
- 多職種連携:園長・保育士・看護師・栄養士が緊密に連携し、一人ひとりの状態に合わせた刻み食・ペースト食などを提供
こうした取り組みは、法律やガイドラインが整備されるはるか以前——30年以上前から同園が独自に積み上げてきたものです。厚生労働省の医療的ケア児受け入れガイドライン策定にも貢献しており、これまで全国約500の自治体や施設にノウハウを共有してこられました。

「誰かがやらなければならないことを、一民間園が背負っている」現実
視察を通じて強く感じたのは、本来行政が担うべき役割を、一つの民間保育園が懸命に支えているという現実です。
現在の八王子市の入園案内には、障害のある子どもを持つ保護者が自ら各園に電話をかけ、受け入れ確認をするよう求める内容が記載されています。また、市の保育コンシェルジュが各園の障害児受け入れ状況や専門性を十分に把握できておらず、適切な案内ができていない実態も指摘されました。
複数の園から断られ続けることで、保護者は「我が子が社会に否定されている」と感じ、深い絶望感を抱きます。入園時に泣き出す母親も少なくなく、「大丈夫、責任を持って見ます」という打越保育園の一言が、家族を救う大きな支えになっているといいます。障害児を持つ保護者にとって、保育園に子どもを預けることは、親自身が「一人の人間として息をつく時間」を確保するための、文字通りの命綱だと実感しました。


まとめ
八王子市は「子育てナンバーワン」を掲げています。しかしその言葉が本当の意味を持つためには、最も困難な状況にある障害児・医療的ケア児とその家族を、行政がしっかりと支える仕組みが不可欠です。
今回の視察を踏まえ、以下の点を議会でも積極的に取り上げてまいります。
- 相談窓口の専門化・一元化:保護者が自力で受け入れ園を探すのではなく、市が責任を持ってマッチングする体制の構築
- 公立保育園の受け入れ能力の底上げ:打越保育園のような民間園の知見を公立園にも広げ、市全体で対応できる体制を整える
- 財政的支援の拡充:専門人材の確保にかかるコストや高度なケアに必要な設備への補助の適正化
打越保育園の30年以上にわたる実践は、障害のある子どもたちと家族の人生を、支えてきました。この取り組みを一園の努力に頼るだけでなく、八王子市全体の仕組みとして広げていくことが、真の「子育てナンバーワン」への道だと感じています。


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