【視察】墨田区のペット防災協定


「もし大きな地震が起きたとき、大切なペットはどうなるのだろう」——そんな不安を抱えているペットオーナーの方は多いのではないでしょうか。墨田区では、専門学校と連携したペット専用の「同伴避難所」という先進的な取り組みが始まっています。八王子市への応用も見据えて視察してきましたので、ご報告します。

「同行避難」と「同伴避難」——何が違うの?

実は「ペットと一緒に避難する」といっても、二つの形があります。

同行避難とは、ペットを連れて避難所に向かうことはできるものの、避難所の中では飼い主とペットは別室で過ごす形です。八王子市を含む多くの自治体では、この同行避難を受け入れています。

一方、今回視察した墨田区が実現したのが同伴避難——飼い主とペットが同じ空間で生活できる形です。「ペットと離れるのが心配で避難所に行けない」「鳴き声で周囲に迷惑をかけてしまう」といった理由から、被災した自宅に留まったり車中泊を選んだりすることによる二次被害を防ぐことが、この取り組みの大きな目的です。

専門学校が「ペット専用二次避難所」に

墨田区は令和6年11月、学校法人・専門学校日本動物21と協定を締結し、学校施設をペット専用の二次避難所として位置づけました。

二次避難所への流れ

発災直後はまず、通常の指定避難所(小中学校等)へ同行避難します。その後、獣医師会や区の職員が巡回し、以下のペットを二次避難所へ案内する仕組みです。

  • 飼い主と離れることが難しい個体
  • 特別なケア(介護など)が必要な個体
  • 鳴き声等でトラブルが生じた個体

この「一次→二次」という段階的な流れが、混乱を防ぎながら必要な方に支援を届けるうえで重要なポイントです。

専門学校ならではの強み

墨田区内の39か所の指定避難所には、管理台帳・運用マニュアル・物資が入ったペット専用避難セットがすでに配備されています。また今後は、動物の専門知識を持つ教員・学生が「防災サポーター」としてペットや飼い主をケアできるような、そんな取り組みもできるように、議論を進めていきたいとの話もされていました。

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この取り組みは全国にも広がっており、横浜市・愛知県・杉並区・大阪市・札幌市でも同様の協定締結が進んでいます。墨田区でこの協定が締結された後、「亡くなった愛犬のケージや毛布を災害時に役立ててほしい」と遺品を寄付する飼い主が複数現れたというエピソードが、いかに多くの方がこの問題を切実に感じているかを示しています。

まとめ

八王子市では犬・猫をはじめ多くの方がペットと暮らしています。私自身も保護猫2匹と暮らす一市民としても、今回の視察は非常に身近なテーマでした。

ペットとの別離を恐れて避難を躊躇することは、命に関わる問題です。「ペットがいるから避難できない」という状況をなくすことは、防災対策の重要な一要素だと考えます。八王子市でも動物病院や専門学校・獣医師会などと連携した仕組みづくりを、議会の場から提案していきたいと思います。

なお、二次避難所には受け入れ数に限りがあるため、日頃から「親戚・知人宅など、ペットと一緒に身を寄せられる場所を確保しておく」という自助の備えも大切です。まずはご自身でできる準備から始めてみてください。

墨田区と専門学校が連携した「ペット同伴避難所」の取り組みは、ペットオーナーが安心して避難できる環境をつくる先進的なモデルです。八王子市でも同様の仕組みが実現できるよう、引き続き取り組んでまいります。


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