障害者雇用というと「企業の義務」「福祉的支援」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし今回視察したエフピコグループは、40年以上にわたり障害者を企業の「基幹業務の担い手」として雇用し続けてきた、全国屈指の先進モデル企業です。今回視察させて頂いて、これまでの障害者雇用に対しての考えが大きく揺さぶられました。その内容をご報告します☝️


目次
障害者雇用をめぐる現状と課題
日本の障害者人口は約1,165万人(人口の約9.3%)にのぼります。2024年7月には法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、未達成の企業には月額5万円/名の納付金や社名公表といったペナルティが課されるようになりました。
一方で深刻な問題があります。福祉施設から一般就労へステップアップできる人の割合は、支援に多くの税金が投じられているにもかかわらず、わずか5%程度にとどまっているのが現状です。就労形態による賃金格差も大きく、就労継続支援B型では月額2万円台にとどまるケースもあり、経済的自立には程遠い実態があります。
生産年齢人口が激減していく中、障害者雇用はもはや「福祉的貢献」だけでなく、人材不足を解消する経営戦略としても注目されています。
エフピコグループが証明した「雇用モデル」の可能性
エフピコグループは知的障害者を中心に約400名を直接雇用し、提携55社へのノウハウ提供も含めると1,170名超の雇用実績を誇ります。その取り組みのポイントをご紹介します。
「簡単な仕事の切り出し」ではなく「基幹業務への配置」
多くの企業が障害者向けに「簡単な補助業務を切り出す」アプローチをとる中、エフピコグループはまったく異なる発想をとっています。食品トレイの製造・リサイクルという主軸業務そのものを担わせることで、「自分がいなければラインが止まる」という責任感と誇りを生み出しています。


定着率98%超・40年の継続雇用
40年前に10名でスタートし、そのうち8名が現在も継続雇用されているという驚くべき実績があります。全体の定着率は98%超。この数字は、適切な環境と仕組みがあれば、障害のある方が長期にわたって働き続けられることを証明しています。
「環境調整」で障害を無効化する現場の知恵
視察で特に印象的だったのが、現場でのきめ細かな工夫です。たとえば、髭剃りが苦手な従業員に対して数ヶ月間「訓練」を課すのではなく、3万円の高機能シェーバーを支給することで即座に課題を解決するという事例が紹介されました。「障害を治すのではなく、環境で解決する」という発想が、現場全体に徹底されています。
また、「作業教育と課題分析は企業の聖域」という理念のもと、外部のジョブコーチに頼らず、現場を熟知した社員が直接指導を行う体制が、高い定着率を支えています。
まとめ
今回の視察で最も考えさせられたのが、「40年間納税し続けた障害者が、定年後に福祉サービスを受けようとすると、利用実績がないという理由で優先順位が下げられる」という実態です。真面目に働き続けた方が不利になるこの状況は、八王子市としても真剣に向き合うべき政策課題だと感じました。
八王子市には4校の知的障害特別支援学校があり、毎年多くの卒業生が就労の入り口に立ちます。エフピコグループのモデルを参考に、就労後の「長い人生」を見据えた継続的な支援の仕組みづくりと、企業が障害者雇用に前向きに取り組める環境整備を、議会でも積極的に訴えていきたいと思います。
エフピコグループの40年の実績は、障害のある方が「守られる存在」ではなく「企業の主役」として輝ける環境は必ずつくれると示しています。八王子市の共生社会の実現に向けて、この視察で得た知見をしっかりと活かしてまいります。


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