八王子市高月町にある「野島牧場」さんへ視察に伺いました。最新の自動搾乳ロボットを導入されたばかりとのことで、現代酪農のリアルな姿を学ばせていただきました。


目次
自動搾乳ロボットとは?
野島牧場さんが導入されたのは、DeLaval(デラバル)社製の自動搾乳ロボット。従来、酪農家の一日は朝夕の搾乳作業に縛られていましたが、このロボットの登場でその常識が変わりつつあります。

最大の特徴は「24時間稼働」であること。搾乳ロボットの中でエサ(濃厚飼料)が給与されるため、牛は自分の意思でロボットに入り、搾乳されながらおやつを食べます。カメラ・センサー・個体識別IDによって、搾乳が必要な個体だけを自動で受け入れ、不要な牛はゲートでそのまま通路へ戻すという仕組みです。


現代の乳牛はピーク時に1日60〜80kgもの乳を出す高能力の個体も存在します。理想的には8時間間隔で1日3回以上の搾乳が必要ですが、人の手では24時間対応は事実上不可能。ロボットはこのギャップを埋め、牛の身体的負担を軽減しながら生産性を高める役割を果たしていると言われていました。
少人数でも規模拡大できる仕組み
野島牧場さんの現在の体制は、経営主ご夫妻とスタッフ2名の計4名。ロボット導入以前は40頭を4名で管理していましたが、導入によって同じ人数で60〜70頭まで規模を拡大できる見通しとのことでした。
また、搾乳データの蓄積・活用も大きな強みです。乳質・体重・飼料摂取量などが個体ごとに記録され、疾病の早期発見や発情・授精タイミングの把握にも活用されています。
さらに印象的だったのが、東京都の事業に参画した「A2牛乳」への取り組みです。A2牛乳とは、タンパク質成分のβカゼインのみを含む牛乳で、消化器系への負担が少なく、牛乳を飲むとお腹の調子が気になる方でも飲みやすいとされています。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする・・・という方には人気のある商品です。
遺伝子検査で生後2ヶ月時点から個体の将来能力を把握し、計画的に牛群を組み替えていくという、データ活用の最先端の事例でした。
まとめ
搾乳ロボットの導入は単なる省力化ではなく、データに基づく個体管理・品質向上・経営戦略の高度化を一体で実現するものだと感じました。
一方で、多額の設備投資リスク、後継者問題、都市近郊での土地維持の難しさなど、地域酪農が抱える課題も率直に聞かせていただきました。農業DXの推進とあわせて、こうした経営環境の整備についても、市政の立場から取り組んでいきたいと思います。
野島牧場さんの取り組みは、スマート農業・データ活用・品質戦略が一体となった都市近郊酪農の新しいモデルと言えます。八王子市にこのような先進事例があることを多くの市民の皆さんにも知っていただきたいと思います。
野島牧場の皆さん、お忙しい中ありがとうございました!


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