NPO法人東京養育家庭の会 みどり支部の皆様との懇談


10月23日(木) NPO法人東京養育家庭の会 みどり支部の皆様と、大変貴重な懇談の機会をいただきました。

「里親」という通称で知られていますが、正式には「養育家庭」という制度。親の病気や虐待など、様々な理由で親元を離れて暮らす約4,000人の都内の子どもたちを、家庭的な環境で支える「社会的養護」の一つです。

この日は、現場で活動されている皆様の生の声、そして制度が抱える課題について深く学ばせていただきました。

「養育家庭」とは?制度の現状と必要性

里親制度について、支部長の高島さんからご説明いただきました。

  • 社会的養護:親元で暮らせない子どもたちを公的に育てる仕組み。里親制度もその一つです。
  • 「養育家庭」と「養子縁組」の違い:養子縁組とは異なり、養育家庭と子どもとの間に法的な親子関係はありません。委託するかどうかは実親権者が決定します。
社会的養護の子どもの人数・里親家庭数
全国:41,436 人
東京都:3,799 人
施設(乳児院・児童養護施設):3,154 人(約83%)
養育家庭等:645 人 (484 家庭)(約17%)
出典:東京都福祉局子供・子育て支援部育成支援課作成資料の
「登録家庭数・委託児童数の状況(令和5年度末現在) 」 より

八王子市内では、現在44家庭(70人程度)が活動されています。

【なぜ里親家庭が必要なのか?】

日本の社会的養護では、8割以上の子どもが施設で暮らしています。しかし、2016年の児童福祉法改正により、「可能な限り家庭に近い環境が好ましい」として「家庭養育が優先」となりました。

東京都では、この家庭養育の割合を2029年までに37.4%にまで増やすという目標を掲げています(今の2倍以上!)。養育家庭の役割は、今後ますます重要になってきます。

2. 現場の「声」から見えた喜びと課題

質疑応答では、養育家庭のリアルな声と、議員からの質問を通じて、制度が直面する課題が浮き彫りになりました。

💖 一番良かった点、幸せだった瞬間

「お正月や、悩みがある時、尋ねていくところがあることが幸せだった。」

「本気で怒ってくれたこと。そのおかげで一人前になれたと子どもが言ってくれた。」

家庭的な環境で育つことの、何にも代えがたい価値を感じます。

🚨 現在、一番困っていること・制度の壁
  1. 複雑な手続きの煩雑さ(行政手続きの壁)
    • 里子ならではの給付金手続きなどが、都度都度確認しながら進めねばならず、非常に不便。実子と里子の両方がいる場合、手続きの煩雑さが大きな負担に。
  2. 社会への浸透度の低さ(認知度の壁)
    • 「社会になかなか浸透しないのが実感。」
    • 市役所に相談しても、職員側の認識が低い。手続きの際に窓口対応をスムーズに進めてほしい。
  3. 不登校・発達の課題に対する居場所の不足
    • 不登校、不安症、学習障害などを持つ子どもにとって、「居場所」や「支援教室」のニーズが高まっているが、支援が行き届かない現状がある。

3. 市レベルで「できること」への提案

懇談の最後に、市としてどのようなサポートが求められているのか、具体的な提案をいただきました。

  • 企業側への認識を深める情報発信
    • 里親を受け入れる企業が増えることで、普及にもつながる。仕組みがわかる「受け皿」となる情報発信が必要。
  • 行政の窓口対応の改善
    • 市職員の制度認識を高め、手続きの際の負担を軽減してほしい。
  • 広報の工夫とハードルの引き下げ
    • 「里親」や「ファミサポ」への登録のハードルが高い。「気軽な感じ」で広報し、まずは登録数を増やすための意識改革が必要ではないか。

結論

今回の懇談は、「養育家庭」の重要性、そして里親の皆様が日々直面している課題を具体的に知る貴重な場となりました。

子どもたちの健やかな成長を支えるために、まず私たち一人ひとりが「養育家庭」という制度を正しく知り、社会全体で支えていくという意識を持つことが第一歩だと強く感じました。

八王子市としても、市民の皆様の声を受け止め、行政手続きの改善や、広報活動の工夫などを通じて、里親の皆様の負担軽減と、子どもたちの安心できる居場所づくりに貢献していけるよう、努めてまいります。


コメント